場合によってはいくらかの制限もありますが、 インストールシステムは Debian GNU/Linux CD-ROM、 フロッピーディスク、ハードディスクのパーティション、 あるいは 別のマシンから LAN 経由で起動できます。
コンソールファームウェアはフラッシュ ROM に収められており、 Alpha システムに電源が入ったときやリセットが行われたとき起動されます。 Alpha システムで用いられているコンソールの仕様には異なるものが 2 つあり、 コンソールファームウェアとしても以下の 2 種類が利用できます。
ユーザから見た SRM と ARC の最も重要な相違点は、 選択するコンソールによって、 起動可能なディスクパーティション構造が異なってくる点です。
ARC では、起動ディスクには (cfdisk などで作成した) MS-DOS
パーティションテーブルを使わなければなりません。 そのため ARC
から起動する場合は、MS-DOS パーティションテーブルが
「ネイティブ」なパーティションフォーマットになります。 実際 AlphaBIOS
にはディスクパーティションユーティリティが含まれているので、 Linux
をインストールする前に、ファームウェアのメニューから
ディスクのパーティションを作成するといいかも知れません。
逆に、SRM は MS-DOS パーティションテーブルとは非互換です [4]。 Tru64 Unix は BSD ディスクラベルフォーマットを利用するので、 SRM をインストールする場合はこちらが 「ネイティブ」なパーティションフォーマットとなります。
GNU/Linux は、両方のコンソールから起動できる 唯一の Alpha 用オペレーティングシステムです。 そのため、どちらを選ぶかは、そのマシンで他にどのような OS を動作させたいかにも依存します。 他の Unix ライクなオペレーティングシステム (Tru64 Unix や FreeBSD、OpenBSD、NetBSD) は SRM からのみ起動でき、逆に Windows NT は ARC からのみ起動できます。
以下の表は、利用可能かつサポートされている システムおよびコンソールの組合せをまとめたものです (機種名については CPU や、マザーボード、ビデオカード, 第 2.1.2 節 をご覧ください)。 以下に示されている `ARC' という単語は、 ARC 互換な任意のコンソールを指しています。
System Type Console Type Supported
=========== ======================
alcor ARC か SRM
avanti ARC か SRM
book1 SRM のみ
cabriolet ARC か SRM
dp264 SRM のみ
eb164 ARC か SRM
eb64p ARC か SRM
eb66 ARC か SRM
eb66p ARC か SRM
jensen SRM のみ
lx164 ARC か SRM
miata ARC か SRM
mikasa ARC か SRM
mikasa-p SRM のみ
nautilus ARC のみ (マザーボードのマニュアルをご覧ください)
noname ARC か SRM
noritake SRM のみ
noritake-p SRM のみ
pc164 ARC か SRM
rawhide SRM のみ
ruffian ARC のみ
sable SRM のみ
sable-g SRM のみ
sx164 ARC か SRM
takara ARC か SRM
xl ARC のみ
xlt ARC か SRM
一般に Linux を直接起動できるコンソールはありませんので、
中間に挟まるブートローダの補助が必要になります。 主な Linux ローダには
MILO と aboot の 2 つがあります。
MILO はそれ自身がコンソールであり、 メモリ上で ARC や SRM
に置き換わります。 MILO は ARC と SRM のどちらからでも起動でき、
ARC コンソールから Linux を起動する唯一の方法でもあります。 MILO
はプラットフォームに依存し (それぞれのシステムに応じて異なる MILO
が必要になります)、 上記の表で ARC
がサポートされているシステム向けのものしか存在しません。 MILO HOWTO
もご覧ください (これは残念なことに古くなっていますが)。
aboot は小さな、プラットフォームに依存しないブートローダです。
こちらは SRM からのみ動作します。 aboot
に関するより詳しい情報については、 (これも残念なことに古くなっていますが)
SRM HOWTO
をご覧ください。
まとめると、 システムのコンソールファームウェアによって、 また
MILO が利用できるかどうかによって、 一般に以下の 3
つの方法があります。
SRM -> aboot
SRM -> MILO
ARC -> MILO
Alpha Processor, Inc. の UP1000 マザーボード (サブアーキテクチャ名 `nautilus') は他のものとは異なっています。 こちらは API 専用のブートローダを利用し、 AlphaBIOS ファームウェアの下で動作します。 UP1000 用のインストールディスクは (まだ) ありませんが、 マニュアルの説明にしたがい、インストールディスクの root.bin を利用して、`generic' あるいは `nautilus' カーネルを起動すればインストールはできるはずです。
MILO は現行 (2000 年 2 月現在) の Alpha
システムのすべてで利用できるわけではありませんし、 古い Alpha に SRM
ファームウェアを用意する際に OpenVMS や Tru64 Unix
のライセンスを購入する必要も現在はありませんから、 GNU/Linux
を新たにインストールするにあたっては、 SRM と aboot
の利用をお勧めします (ただし Windows NT とのデュアルブートが必要ない場合)。
大部分の AlphaServer や、 現行のサーバ・ワークステーション製品のすべてには、 ファームウェアに SRM と AlphaBIOS の両方が含まれています。 各種の拡張ボードのような、"half-flash" なマシンならば、 ファームウェアを更新して、 別のファームウェアに切り替えることもできます。 また、一度 SRM をインストールすれば、 フロッピーディスクから ARC/AlphaBIOS を実行することができます (`arc' コマンドを使います)。 上述の理由から、Debian のインストールのまえに、 SRM へと切り替えることをお勧めします。
他のアーキテクチャの場合と同様、Debian をインストールする前に、
入手できる限りの最新のファームウェア [5] をインストールしてください。 Alpha の最新ファームウェアは
Alpha Firmware
Updates から入手できます。
ブートストラップメディアに含まれている MILO は、 そのまま Linux を自動的に起動するように設定されています。 これを中断したい場合は、 MILO のカウントダウンの間にスペースキーを押します。
いろいろな内容を直接指定したい場合 (例えばパラメータの追加など) には、 次のようなコマンドが使えます。
MILO> boot fd0:linux.bin.gz root=/dev/fd0 load_ramdisk=1
フロッピー以外のメディアから起動する場合は、 上記の例にある fd0
の箇所を、 Linux での適切なデバイス名に変更してください。 help
コマンドを使えば、 MILO の簡単なコマンドリファレンスを参照できます。
ブートパラメータとは Linux カーネルのパラメータのことで、 一般には周辺機器を適切に扱うために用います。 ほとんどの場合、カーネルは周辺機器の情報を自動的に検出します。 しかし、場合によっては少々カーネルを助けてあげないといけないこともあるのです。
起動に用いるコンソールファームウェアによって、 カーネルにパラメータを渡す方法は異なります。 それらの方法については、それぞれの起動方法ごとに後述します。
ブートパラメータに関する完全な情報は、 Linux BootPrompt
HOWTO
にあります。この節では最も良く使われるパラメータの概略のみを扱います。
システムを初めて起動する場合は、 デフォルトのブートパラメータを試して (つまりなにもパラメータを設定せずに)、 正確に動作するか観察してください。 たいていはうまくいくと思います。 なにか問題が起こったら、 そのハードウェアに関する情報をシステムに伝えるためのパラメータを調べ、 あとで再起動します。
カーネルが起動するときには、プロセスの最初のほうで
Memory:
availablek/totalk available
というメッセージが表示されます。 total は利用可能な RAM の総量をキロバイト単位で表しています。 この値が実際に搭載している RAM の量と一致しないときには、 mem=ram というパラメータが必要となります。 ram のところには、実際に搭載しているメモリ量を、 キロバイト単位なら ``k''、 メガバイト単位なら ``m'' を後ろにつけて記入します。例えば、 mem=65536k も mem=64m も 64MB の RAM を意味します。
お使いのモニタが白黒表示しかできないものでしたら、 ブートパラメータ mono を使ってください。 こうしないと、インストールでは標準でカラー表示になります。
起動の際にシリアルコンソールを使うと、 通常カーネルはこちらを自動検出します 。 ただし、シリアルコンソールから起動させたいコンピュータに ビデオカード (フレームバッファ) とキーボードもついている場合には、 カーネルに console=device というパラメータを 渡す必要があるでしょう。 device は利用するシリアルデバイスです。 これは普通 ``ttyS0'' のようなものになるでしょう。
繰り返しますが、ブートパラメータに関する完全な情報は、 Linux BootPrompt
HOWTO
にあります。こちらにはマイナーなハードウェアに関する情報もあります。
よくある雑多な事柄に関しては、以下の ブートプロセスに関するトラブルシューティング, 第
5.7 節 でも説明します。
インストールシステムはいくつか起動時引き数を認識します。 場合によっては便利かもしれません。 quiet と verbose の効果は Verbose と Quiet の効果, 第 11.5 節 で一覧になっています。
ほとんどの人にとっては、 Debian CD セット
を使うのが一番簡単な入手経路かと思います。 CD セットが既に手元にあり、
かつインストールするマシンが CD から直接起動できるようなら、 ツイています!
単に CD-ROM をドライブに入れてリブートし、 次の章に進んでください。
次のように入力します:
>>> boot xxxx -flags 0
ここで xxxx には、 SRM における CD-ROM
ドライブの呼び名を入れます。
ARC コンソールで CD-ROM から起動するには、
まずサブアーキテクチャのコード名を探します (CPU
や、マザーボード、ビデオカード, 第 2.1.2 節 を見てください)。 見つかったら
`OS Selection Setup' メニューの ブートローダに \milo\linload.exe
を入力し、 OS Path に \milo\subarch を入力します
(subarch にはサブアーキテクチャの名前を入れます)。 Ruffians
は例外で、ブートローダに \milo\ldmilo.exe を用いる必要があります。
特定の CD ドライブでは、専用のドライバが必要になるかもしれません。 従ってインストールの早い段階ではアクセスできないかもしれません。 CD から起動させる通常のやり方が、 あなたのハードウェアでは使えないと分かったら、 この章をもう一度頭から見直して、 別のカーネルやインストール方法を使うやりかたについて読んでみてください。 これらのやり方ならうまくいくかもしれません。
CD-ROMから起動できない場合でも、 Debian の基本システムや好きなパッケージを CD-ROM からインストールすることは可能です。 例えばフロッピーなど、別のメディアを選んで起動してください。 OS、基本システム、追加パッケージなどをインストールする段階に来たら、 インストールシステムに対して CD-ROM ドライブを用いるよう指示すれば良いのです。
起動で問題が起こったら、 ブートプロセスに関するトラブルシューティング, 第 5.7 節 を見てください。
SRM プロンプト (>>>) で、
以下のコマンドを実行してください。
>>> boot dva0 -flags 0
場合によっては dva0 の箇所を
実際のデバイス名に置き換えてください。 通常 dva0
がフロッピーです。
>>> show dev
と入力すれば、デバイスの一覧を見ることができます (例えば CD
から起動を行いたい場合など)。 MILO から起動する場合は、
-flags 引き数は無視されてしまいますので、 単に boot
dva0 と入力すれば結構です。
すべてが順調に動作したら、しばらくすると Linux カーネルの起動を確認できると思います。
aboot から起動する場合に、 カーネルパラメータを指定したければ、
以下のコマンドを用いてください (1 行で入力してください)。
>>> boot dva0 -file linux.bin.gz -flags "root=/dev/fd0 load_ramdisk=1 arguments"
必要なら、 dva0 となっている SRM でのブートデバイス名や、
fd0 となっている Linux でのブートデバイス名などを置き換えたり、
arguments の箇所にお望みのカーネル引き数を指定してください。
MILO から起動する場合に、 カーネルパラメータを指定したければ、
MILO に入ったところで一度ブートストラップを中断する必要があります。 MILO による起動, 第 5.2 節 をご覧ください。
OS 選択メニューで、ブートローダに linload.exe を、 OS Path に
milo を指定してください。
この新しく作成したエントリで起動してください。
このプラットフォームで起動するには、 "Utility/Run Maintenance
Program" メニューで \apb\apb.exe を実行し、 APB プロンプトで
boot debian_install
と入力してください。
起動に問題があったら ブートプロセスに関するトラブルシューティング, 第 5.7 節 をご覧ください。
ネットワークから起動するには、起動フロッピーによってサポートされた ネットワーク接続が必要です。 スタティックなネットワーク接続、 DHCP サーバ、 BOOTP サーバ、TFTP サーバなどが利用できます。 TFTP 起動をサポートするインストール方法は TFTP ネットブート用ファイルの準備, 第 4.4 節 で記述されています。 SRM では、イーサネットインターフェースには ewa という文字列からはじまる名前がつけられていて、 show dev コマンドを使うと以下のようにリスト表示されます (これはちょっと編集してあります):
>>>show dev
ewa0.0.0.9.0 EWA0 08-00-2B-86-98-65
ewb0.0.0.11.0 EWB0 08-00-2B-86-98-54
ewc0.0.0.2002.0 EWC0 00-06-2B-01-32-B0
まず、ブートプロトコルを設定します。
>>> set ewa0_protocol bootp
次にメディアのタイプが正しいかどうか確認します。
>>> set ewa0_mode mode
使えるモードの一覧は >>>set ewa0_mode で取得できます。
確認できたら、次のように入力すれば 1 番目の イーサネットインターフェースから起動できます。
>>>boot ewa0
シリアルコンソールを使いたい場合は、 カーネルに console= パラメータを渡さなければいけません。 これには SRM の boot コマンドで -flags 引き数を使います。 シリアルポートの名前は、 /dev 以下に置かれているファイルのものと同じです。 例えば ewa0 から起動し、 1 番目のシリアルポートからコンソールを利用するには、 以下のように入力します。
>>>boot ewa0 -flags console=ttyS0
Debian をインストールしようとしている人達がまず最初に出会う最大の問題は、 フロッピーディスクの信頼性であるようです。
特に rescue フロッピーが最も問題になるようです。 これは Linux が起動する前に、ハードウェアから直接読み込まれるからでしょう。 ハードウェアは Linux のフロッピーディスクドライバほど 信頼性の高い方法で読み込みを行ってくれないことが多く、 正しくないデータに当たると、 エラーメッセージも表示せずに単に止まってしまいます。 Driver Floppies で問題が起きることもあるようで、 この場合は大抵、ディスク I/O エラーに関するメッセージが大量に表示されます。
インストールが特定のフロッピーで停止してしまう場合は、 まずフロッピーディスクのイメージをダウンロードし直して、 それを 別の フロッピーに書き直してみることです。 古いフロッピーをフォーマットし直すだけでは充分ではありません (そのフロッピーのフォーマットと書き込み時にエラーが出なかったとしても、です)。 フロッピーを別のシステムで書き込んでみると、 うまくいくこともあるようです。
あるユーザの報告によると、イメージのフロッピーへの書き込みを 3 回 やり直さないと、うまく動くようにならなかったそうです。 その 3 番目のフロッピーでは、何も問題なくいったそうです。
また別のユーザからの報告では、 同じフロッピーをドライブに入れたまま数回再起動を繰り返すだけで、 うまく起動したのだそうです。 これはハードウェアかファームウェアのフロッピードライバの できが悪かったためでしょう。
ブートプロセスの最中にカーネルがハングしたり、 搭載されている周辺機器やドライブが正確に認識されないなどの問題が起こったら、 まず ブートパラメータ引き数, 第 5.3 節 の説明に従って ブートパラメータを確認してください。
インストーラから与えられたカーネルではなく、 自分で作ったカーネルから起動した場合は、 CONFING_DEVFS が設定されていないことを確認してください。 このインストーラは CONFING_DEVFS と一緒には使えません。
また、増設カードや周辺機器を取り外して再起動してみると、 このような問題が解決できることもよくあります。
しかし、私たちの起動フロッピーも、 サポートしているハードウェアには限りがあります。 Linux がサポートしているプラットフォームでも、 この起動フロッピーが直接サポートしていないことはあるでしょう。 この場合は、rescue ディスクを自分で作る (rescue フロッピーのカーネルの交換, 第 10.3 節 を見てください) か、 ネットワークインストールを調べるかする必要があります。
マシンにメモリがたくさん (512M 以上) 積まれていて、 インストーラがカーネルの起動時にハングする場合は、 mem=512m のようなブート引き数を使って、 カーネルが扱うメモリの量を制限する必要があるかもしれません。
ブートシーケンスの途中で、 can't find something (〜が見つからない), something not present (〜が存在しない), can't initialize something (〜を初期化できない), this driver release depends on something (このドライバには〜が必要だ) などのメッセージがたくさん出力されることがあります。 これらのメッセージのほとんどは無害です。 これらが出力される理由は、インストールシステムのカーネルが、 いろいろな周辺デバイスのできるだけ多くに対応しようとしているからです。 そのため、OS が実際には存在しない周辺機器を探すことになるので、 文句を吐くわけです。 システムがしばらく止まったように見えることもあります。 これはデバイスが反応するのを待っているために起こるものです (実際にはそのデバイスは存在しないので、止まってみえるわけです)。 システムの起動に要する時間が堪えがたいほど長い場合は、 後で自前のカーネルを作ることもできます (新しいカーネルのコンパイル, 第 9.5 節 をご覧下さい)。
dbootstrap の障害報告
最初の起動段階は通過したのに、インストールが完了できなかった場合は、
dbootstrap のメニューにある 'Report a Problem'
の選択肢が役に立つかもしれません。 これを選ぶと、
フロッピー・ハードディスク・nfs マウントしたファイルシステムなどに、
dbg_log.tgz というファイルを作成します。 dbg_log.tgz
はシステムの状態 (/var/log/messages, /proc/cpuinfo
など) を詳細に記録します。 dbg_log.tgz は、どこが悪いのか、
どうすればそれを直せるのか、に関する手がかりとなります。
バグ報告を送る際には、このファイルをその報告に添付するとよいでしょう。
まだ何か問題がある場合は、バグ報告を送ってください。 submit@bugs.debian.org
宛に電子メールで送ってください。 その電子メールの先頭には、 必ず
以下の記述を付け加えてください。
Package: boot-floppies
Version: version
version のところに、 利用した boot-floppies パッケージのバージョンを書くのを忘れないようにしてください。 バージョンがわからない場合は、 そのフロッピーをダウンロードした日付と、 入手先のディストリビューション (``stable'' や ``frozen'' など) をお知らせください。
バグレポートには以下のような情報も添えてください。
architecture: alpha
model: ハードウェアのメーカーやモデル名
memory: RAM の量
scsi: もしあれば、SCSI ホストアダプタの名前
cd-rom: CD-ROM のモデル名とインターフェースの種類 (ATAPI 等)
network card: もしあれば、ネットワークインターフェースカードの名前
pcmcia: PCMCIA デバイスの詳細
問題の性質にもよりますが、 インストール先のディスクが IDE ディスクなのか SCSI ディスクなのか、 さらにオーディオのような他の周辺機器、 ディスク容量、ビデオカードのモデル名などの情報を 書き添えることも有益でしょう。
バグレポートの際には、 カーネルがハングした直前に表示されたカーネルメッセージを添えて、 何が問題なのかを説明してください。 また、問題が起きるまでにシステムに対して行ったことも記述してください。
dbootstrap について
dbootstrap は、
インストールシステムが起動した後に起動されるプログラムです。
このプログラムがシステムの初期設定と 「基本システム」のインストールを行います。
dbootstrap の主な役割、 あるいはシステムの初期設定の主な目的は、
システムの基本となる部分を設定することです。
例えば、特定の「カーネルモジュール」、
つまりカーネルにリンクされるドライバを使わなければならない、などです。
このようなモジュールとしては、 外部記憶装置のドライバ、
ネットワークドライバ、特定言語のサポート、 他の周辺機器のサポートなどのうち、
現在使っているカーネルに自動的には組み込まれないものがあります。
ディスクのパーティション分割、フォーマット、 ネットワークの設定等も
dbootstrap が行います。 まずシステムが正しく機能できるように、
基礎となる設定を最初に行います。
dbootstrap は、 シンプルなキャラクタベースのアプリケーションで、
できるだけ多くの状況で動作するよう設計されています
(例えばシリアルライン経由のインストールでも使えるようになっています)。
使い方はとても簡単です。
指示に従えば、インストール作業の各段階を順々にこなすことができます。
また、何か間違いがあったことに気付いたら、
前に戻ってその作業をやり直すこともできます。
dbootstrap の内部で動き回るには、以下を用います:
Unix や Linux に熟練されている方ならば、 左 Alt-F2 を押せば 、2 番目の
仮想コンソール を呼び出せます。 つまりスペースバーの左にある
Alt キーと、 ファンクションキーの F2 を同時に押します。
これは ash という Bourne shell のクローンが起動する、
独立したウィンドウです。 この時点では RAM ディスクから起動しているので、 使える
Unix ユーティリティは限られています。
どんなプログラムが使えるかを確認するには、 ls /bin /sbin /usr/bin
/usr/sbin というコマンドを使ってください。
メニューで行える作業はすべてメニューで行いましょう。
このシェルや、ここから呼び出すコマンドは、
何か問題のある場合のみ使ってください。
特に、スワップパーティションを有効にする際には、
このシェルではなく、必ずメニューから行ってください。
シェルからこの操作を行っても、 メニューソフトウェアはそのことを検知できません。
メニューに戻るには 左 Alt-F1 を押してください。 Linux は 64
個の仮想コンソールを提供していますが、 Rescue Floppy
ではそのいくつかしか使えません。
エラーメッセージは、普通 3 番目の仮想コンソール (tty3)
にリダイレクトされます。 左 Alt-F3 (Alt キーを押しながら
F3 ファンクションキーを押す) を押せばこのコンソールに移動でき、 また
左 Alt-F1 を押せば dbootstrap に戻れます。
これらのメッセージは /var/log/messages にも出力されます。
インストール後には、このログは新しいシステムの
/var/log/installer.log にコピーされます。
ベースシステムのインストールの段階では、
パッケージの展開メッセージや設定メッセージが tty4
にリダイレクトされます。 左 Alt-F4 (Alt キーを押しながら
F4 ファンクションキーを押す) を押せばこのコンソールに移動でき、 また
左 Alt-F1 を押せば dbootstrap に戻れます。
インストールがシリアルコンソールから行われている場合は、 dbootstrap
の出力する展開/設定メッセージは /target/tmp/dbootstrap.log
に保存されます。
dbootstrap が表示する最初の画面は、``リリースノート'' です。
この画面では、現在利用している boot-floppies
ソフトウェアのバージョン情報や、 Debian
の開発者たちに関する簡単な紹介がなされます。
システムによっては速すぎて読めないかもしれませんが、
``インストールプログラムは、あなたのシステムの現在の状態と、次に実行すべきインストールステップを判断します。''
というダイアログが表示されます。
このダイアログボックスは、メインメニューの各作業段階の間に表示されます。
インストールプログラム dbootstrap は
各作業段階の間にシステムの状態をチェックします。
このチェックを用いることによって、
インストール作業の最中にシステムが停止してしまったような場合でも、
すでに済ませた作業を無駄にせずにインストールをやり直すことができます。
インストールを最初からやり直さなければならない場合、
キーボードの設定、スワップパーティションの再有効化、
初期化済みディスクの再マウント、は実行しなければなりません。
それ以外に行ったインストールの作業は、 すべて保存されているはずです。
インストール作業の全体を通して、 ``Debian GNU/Linux
インストールメインメニュー''
というタイトルのついたメインメニューが表示されます。
メニューの一番上の選択肢は、
インストーラで次に行うべき項目に順次変わっていきます。 Phil Hughes は Linux Journal で、 Debian
のインストールは ニワトリ にだって教えられるだろう、と書いています!
Debian のインストールは、 ほとんど Enter キーを
くちばしで突っつく だけだ、 と言いたかったのでしょう。
インストールメニューの一番上の選択肢に出るのは、
システムがすでに済ませている作業を調べ、
次にこれを行うべきだろう、と判断した作業になります。 大抵の場合は ``次''
を選び、次の作業段階に進んでください。
``次'' の項目にカーソルがあるのを確認して Enter キーを押し、
キーボードの設定メニューに進みましょう。
あなたの母国語で使われる配列に一致するキーボードを選択してください。
希望の配列がなかったら、似たものを選択しておいてください。
いったんシステムのインストールが完了すれば、
より多くの選択肢からキーボード配列を選べます (その場合はインストールの終了後、
root アカウントで kbdconfig を実行してください)。
使いたいキーボードの選択肢にカーソルを移動し、 Enter を押してください。 カーソルの移動には矢印キーを使ってください。 矢印キーは、どんな言語のキーボードでも同じ場所にあるため、 ここでのキーボードの設定に依存しません。 なお「拡張 (extended)」キーボードとは、 一番上の列に F1 から F10 までのキーが並んでいるものです。
ディスクレスワークステーションにインストールしている場合は、 パーティションを作成するようなローカルディスクはありませんから、 次のいくつかの作業段階はスキップされます。 この場合の次の作業項目は ``ネットワークの設定'', 第 7.6 節 になります。 その後、 ``以前に初期化されたパーティションのマウント'', 第 6.8 節 での説明のように、 マウントする NFS ルートパーティションをマウントするよう促されます。
ディスクをバックアップするように、と言いましたよね? これが、古いシステムを保存する最後のチャンスです。 ディスク全体をまだバックアップしていないのでしたら、 フロッピーをドライブから抜いて、システムをリセットし、 バックアップを行ってください。
Debian GNU/Linux 3.0 のインストール (Alpha)
version 3.0.24, 2002/12/18